若林秀子さんからの現地エクアドルの状況と、調査報告
~ハチドリの会への募金をお願いします。
皆さんの気持ちのひとしずくを〜
長くなりますが、読んでいただけるとありがたいです。
報告が大変遅くなりましたが、11月19,20日に、エクアドル地震の被災地であるポルトビエホに行ってきました。
ポルトビエホへの訪問は9月に次いで、2回目になります。
今回の訪問は、震災支援ハチドリの会の支援先を見つけるためです。被災地のみなさんに直接届く支援、特に子どもたちへの支援をと考えているハチドリの会の考えに基いて、支援先を探してきました。
(私は、こちらでハチドリの会の皆さんの義援金を必要な人に届けるお手伝いをしています。)
支援先の候補として、協力隊員OBの吉岡大輔さんに女性支援センターNuevos Horizontes (ヌエボス オリゾンテス)という団体を紹介していただき、代表を務めるミリアム ローさんと会うことになりました。
この団体は、30年以上にわたりマナビ州の女性支援活動を
行っている団体です。このセンターには、DVの被害に
あった女性、性被害にあった子どもたちが訪れます。
そして、センター専属の弁護士や心理カウンセラーと話し合い、
法的措置をとりながら解決をしています。
現在は、上記のような被害にあった女性や子どもたちの他に
震災で両親を亡くした子どもたちのケースにも対応しているそうです。
震災遺児の引き取り先同士でたくさんのトラブルが発生していると
いうことで、子どもたちが将来安心して暮らせる家族はどこか
探しています。
私は3組の家族を訪問させてもらいました。
Aさんは、7歳の女の子を育てていました。震災前まで、女の子は母親と暮らしていましたが、彼女の母親は市内のショッピングセンターで被災し、亡くなりました。
女の子の両親は結婚していません。Gさんと女の子の母親の家族の間で、誰が彼女を引き取るのか問題になっています。
ある4歳の女の子は、両親と1番下の弟を亡くし、父方の祖母に育てられていました。
震災の日、女の子の両親は、一歳の息子さんと共に彼の誕生日プレゼントを買いに、ショッピングセンターに行っていました。その時地震があり、3人は亡くなりました。
4歳の女の子は、亡くなった弟の他に4人の兄弟姉妹がいますが、皆父親が違うようです。彼女は両親が亡くなってしまったので、祖母と暮らしていますが、他の兄弟は別の父親の家に避難しています。
女性センターのミリアンさんは、子どもたちが安心して暮らせる状況にある家庭が兄弟全員を引き取るべきと、弁護士やカウンセラーの方と調査を進めているようですが、全員一緒に生活していけるかどうか、現状はとても難しいと話していました。
若い男性のBさんは、奥さんを震災で亡くしました。Bさんの奥さんは、市内のショッピングセンターで仕事をしている最中に建物の下敷きになり、亡くなったそうです。Bさんは静かにゆっくり話し始めました。
2人の子どもたちを前に、あの日のことを思い出し、私に語ってくれる目には涙がいっぱいでした。
私は、なんと声をかけたらいいのだろう、これ以上、私が質問する必要があるのだろうか…と胸がいっぱいになりました。
残された2人の子どもに、クリスマスにお母さんがほしいと言われたら、何と答えたらいいのだろうと不安な気持ちを話してくれました。
最後に、私は奥さんの写真に手を合わせ、日本語のメッセージを渡したのですが、その時、Bさんは吉岡隊員(野球)の元教え子だったということがわかりました。何という巡り合わせなのでしょう…。吉岡さんの分もエールを送り、Bさんが少しでも希望をもって生活することを祈りながら別れました。
被災したエクアドル海岸地域では、正式に籍を入れずに同棲という形で家庭をもつ人が多く、親がパートナーを変えるごとに子どもができると、子どもたちの関係は異母(異父)兄弟姉妹となります。そのような複雑関係の中で生活をしているため、両親が亡くなった場合、誰がどの家庭に引き取られるのか問題になってきます。
父親や母親が違っても、一緒に生活していた兄弟姉妹が別々に分けられることは、子どもたちにとって両親を亡くした痛みと同じぐらいの不安やストレスになるに違いありません。
引き取りたいと申し出ている祖父母や叔父叔母などの中には、子どもの将来を考えてというよりは、子どもを引き取れば亡くなった親の保険金などが収入として入るため、そのお金を目的として引き取りたいという人もいるそうです。
そのような状況の中で、両親を亡くした子どもたちは家を点々として生活します。引き取り先が決まるまでは、兄弟姉妹バラバラです。この先もずっとバラバラかもしれないと、ドキドキハラハラしながらの生活です。甘えたいけれど、両親は亡くなっています…。それでも子どもたちは懸命に生きていました。
今後、子どもたちが安心して生活ができることを願うと共に、残された親族との生活の中で、子どもたちが笑顔になる時間をたくさんもってほしいと思いました。
今回のポルトビエホを訪問して、地震によってもたらされた被害は、このような状況も作ってしまうのだということを知りました。
また、空港跡地の避難所では、女の子への性被害があり、このセンターに報告があったそうです。相手は、警護にあたっていた軍の人だそうです。
ポルトビエホ郊外の町では、両親を亡くし身寄りのない子どもが通りに徘徊していて、危うく子どもを探すバイヤー(子どもを誘拐し、殺害して臓器を売買する商売があります)の手に渡るところだったとミリアムさんは話してくれました。
見えないところで女性や子どもたちがたくさんの被害にあっていることもわかりました。
ポルトビエホ市の様子について…
ポルトビエホの中心地は、立ち入りが禁じられている場所がまだたくさんあります。多くの人で賑わっていた中心地の様子はガラリと変わり、昼間だというのに人影はなく、道路を走る車の騒音しか聞こえて来ませんでした。街を再生するには残された建物を壊し、整地しなければなりませんが、多くの建物がコンクリートのため、すべてを壊し建て直すには計り知れない時間が必要になると思います。
話は変わって…
夕方、ポルトビエホのスポーツ連盟を訪れ、野球部の練習をみてきました。草だらけのグラウンドに元気な女子選手の声が響いていました。その日は女子ソフトボール部の練習でした。ボールは20個余り、打球練習が終わるまで、何度も何度も回収します。転がって来たボールは縫製の糸が切れ、ボロボロになっていましたが、数が少ないので壊れていても貴重です。
練習に来ている子どもたちの中には、家が倒壊した子どももいるそうですが、皆前を向き、練習に励んでいる姿が印象的でした。
ここにグラウンドがあるから、
野球が好きだから、
上手くなりたいから、
練習に来るのだそうです!
ファイト!
ポルトビエホチーム
各運動施設は、9月に訪問した時よりも改修され、少しずつ修繕が進んでいますが、こちらも、完了するまでには相当の時間がかかるように感じました。
子どもたちが、夢を追究する場所であるのでなんとか早く修繕を進めてほしいと思います。
私が、この状況をハチドリの会の方に伝えたところ、
•女性支援センターNuevos Horizontes (ヌエボス オリゾンテス)と
•マナビ州野球チーム
を中心に、子どもたちの笑顔が戻るような物資必要をするということになりました。
募金の締め切りは、今月25日です。
そして、2月14日の「愛と友情の日」にサプライズで物資を届ける予定です。お金でなく、希望物資をとどけます。
募金は、今のところ15万円ほど集まっています。このお金は、ハチドリの会の皆さんが8月から11月にわたって何回もコンサートを行い、集めた貴重なお金です。
更に、少しでも金額を増やして皆さんの気持ちをエクアドルの子どもたちに届けられればと思い、今回のお願いになりました。
もし可能であれば、皆さんの気持ちのひとしずくを募金していただけると大変嬉しいです。
エクアドルの子どもたちの笑顔のために、100円でも、200円でも、わずかなご協力でも構いません。
皆さんから届けられたお金(必要物資に変えて)は、私が責任をもって2つの団体の子どもたちへ直接届けます。1月に希望物資を調査し、2月に現地へ直接配達する予定です。
皆さんの力を貸していただきたいです。
私の報告が遅くなり、募金の締め切り(12月25日)まで時間がありません…。
締め切りまでわずかな時間ですが、よろしくお願いします!
元隊員の皆様へ
皆様の友人のエクアドルOB.OGにも、お知らせください。シェアしてもいただいても大丈夫です。
2016年 12月15日 若林秀子
震災から7か月後の状況
◆義援金お振込先◆
郵便局(ゆうちょ銀行)
口座名「エクアドルハチドリノカイ」
ゆうちょ銀行から送金する場合
記号 12070
番号 05409541
ゆうちょ銀行以外の金融機関から送金する場合
銀行名 ゆうちょ銀行
店番 208
預金種目 普通
店名 二〇八店(ニゼロハチ店)
口座番号 0540954